「熟年」の定義は50歳前後、では「熟女」って何歳ぐらい？

25歳を過ぎると熟女と呼ばれる業界

ＡＶ業界では、２５歳を過ぎると「熟女」と呼ばれるそうな。
熟女は「熟年」の派生語で、「熟年」とは「５０歳前後の中年以降」。そして「熟年離婚」の定義は「結婚して２０年以上暮らした夫婦の離婚」。いずれも１９７０年代に生まれた俗語の定義である。そして熟女はあるけど、熟男とはいわない。
では熟女って、いったいいくつぐらいの感覚かというと、一般的には「４０～５０歳ぐらい」。ちなみに「中年」は青年→壮年の次にくる言葉で４０歳前後から６０歳前後を指すらしい（広っ！）。

それにしても、２５歳で「熟女」とは…。コラムを書かれていた作家の松久淳さんは男性で「２５歳を熟女と言われても、自分から遠すぎてリアリティがわかない」云々と書かれていた。

そういえば昔、大阪の天神橋筋六丁目にあったストリップ劇場を取材したとき、オーナーのママさんは40代でも無駄のない美しいボディを維持されていて、現役ストリッパーとして舞台に立たれて（踊られて）いた。ストリッパーの方々の年齢層は２０代から４０代までと幅広く、それぞれの年齢の美しさ。客のほうも年齢層が幅広いので、ストリッパー側も「若ければいいというわけではない」ということだった。
もちろん「人に見せるための」身体をキープされていて、そのへんの４０代とは明らかな違いがあった。なおストリップ業界には女優やモデルと違って小柄な女性が多いのは、「日本人男性の好みと傾向」ということだった。客は座席から舞台を見上げるわけで、それもうんと近い距離、さわれるほどの距離で見るから、かえってモデルのような高身長の姿には人気がないらしい。なお映画監督の山本晋也カントクは、４０代を「女盛り（おんなざかり）」だと言っていた。

以下、熟女という言葉は載っていなかったが広辞苑の説明によると、

• 若年（弱年）／年が若いもの。青年。
• 盛年／若い盛りの年頃。元気の盛んな年頃。
• 青年／１４～５歳から２４～５歳の男子。
• 中年／青年と老年の中間の年ごろ。４０歳前後のころ。
• 熟年／人生の経験を積み円熟した年ごろ。「老年」の前に当り、中高年に相当。
• 高年／年齢の高いこと。老年。

「中年」と「高年」をまとめた言葉が「中高年」だと思っていたけれど、中高年とは中年と高年の間で、つまり熟年のことらしい。

では熟女っていくつのこと？

結論として、ではいくつが熟女と思うかというと、「人による」。２７歳でも枯れている人は枯れてるし、５０歳でも輝いてる人は輝いてる。還暦を過ぎても人として存在が色っぽい人はいるし、全然若さを感じない１０代もいるわけで。枯れていくのか、熟していくのか、どちらを選ぶかも、「人による」。

ただ、そこそこの人生経験が中身として詰まっていないと「熟女」とよばれる資格はない気がする。「円熟」という言葉のとおりに、時間をかけて円満に発達し、豊かになるという言葉のままに。
なにせ「おねえちゃん」と「おばさん」の間はない国なのだ。そして「おばさん」の次は「おばあちゃん」なのである。「かわいいおばあちゃんになりたい」という発言をする女優やアイドルがいるけれど、おばあちゃん、と呼ばれるまでに「おばさん」期間がある。これが結構長い。フランスみたいに「マダム」なら熟女っぽい響きでうれしいと思うけれど…。「おじさま」「おばさま」という呼称より「おっさん」「おばはん」の方が明らかに普及している日本社会で「熟女」と呼ばれる人は、希少すぎるかもしれない。

「どう生きているかは顔に現れ、どう生きてきたかは背中に現れる」という言葉がある。海外の報道番組や旅番組に映る世界の人々を見ていると、外国の人って、ハゲていても白髪でも太っていてもシワがあっても、なんか素敵な存在感がある。イタリアの漁港のおじさんとか、スペインで昼休みにワインを飲んでいる職人のおじいちゃんとか、北欧の市場で野菜を買っているおばあちゃんとか、普通に暮らしている一般の人々なのに、なぜみんなかっこよく見えるのだろう？

おじさんでもおじいさんでもおばあさんでも、歳を重ねた人の、色々と乗り越えてきた人の魅力。いぶし銀のような色気が、醸し出されている。日本人ではあまり見かけることのない存在感、年を重ねる魅力というのもあるなあ、と思ってしまう。だからきっとハイジはオンジおじいさんのいるアルプスへ帰ったのだ。陰気なクララやぷりぷり怒りながら生きている幸せ感のないロッテンマイヤーといるよりも。どうせなら、お年寄りがかっこいい国で暮らしたいな、と思ってしまう。

目指せ、熟成赤ワイン！